監修:府中恵仁会病院

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関節痛

肩関節痛

◆肩関節周囲炎

五十肩・四十肩とも呼ばれ、明らかな原因がなく、突然肩関節の痛みを引き起こします。
中年以降の人に多く、肩関節の痛みと、動きが制限される病気です。
数ヵ月~数年で自然に治癒するといわれていますが、症状がなかなか治らない人も多いようです。
症状は、まず急激な痛みがおこり、それが治まると慢性的な肩の痛みと動きが制限された状態が続きます。日常生活では髪をとかしたりシャツの着脱、帯を結んだりした時や、腕を上にあげようとすることが困難になります。

治療は、初期の痛みが強い期間は、肩の安静です。痛み止めや湿布なども使用されます。
痛みが軽くなってきたら、徐々に肩を動かす体操を行います。一日に数回腕を真上までゆっくりと動かす
運動を行い、慢性的に肩の動きが制限された状態が続くようなら、注射(ステロイド剤、局所麻酔薬、
ヒアルロン酸製剤)、リハビリ体操、温熱療法(ホットパックなど)などの治療を行います。

◆腱板損傷

腱板とは4つの筋腱(棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、小円筋)のことで、肩を動かす内側の筋群(インナー
マッスル)です。これを損傷すると、肩の痛みがおこったり、腕が上がらなくなったりします。
腱板損傷の原因は、外傷性のものもありますが、多くは老化による腱板の変性により腱板が弱くなり自然に切れるというものです。そのため、腱板断裂は、中年以降の人に多いので、五十肩と混同されることも多いようです。

症状は、挙上困難といって、腕を上げる時に痛みが出たり、力が入りにくくなります。
五十肩との違いは、挙上困難があっても、力を入れずに反対の手で持ち上げると腕が上がるのが特徴です。

治療は、まず安静や注射、投薬、リハビリ訓練などで痛みの改善を図ります。この治療で改善があまりみられない場合、手術方法を検討する事になります。基本は損傷した腱板を縫合する事です。
近年では関節鏡(内視鏡)で手術を行う方法も普及しつつあります。

◆石灰沈着性腱板炎

突然激烈な肩の痛みがおこり、痛みで肩を動かすことが出来なくなります。
中年期以降の女性に多くみられ、腱板内に石灰(リン酸カルシウム結晶)が沈着することによって炎症が
生じます。レントゲン検査で腱板部分に石灰沈着を認めることで診断します。

治療は、まず急性期には、三角巾などで肩を安静とし、痛み止めの内服や湿布を使用します。
注射で石灰を吸引したり、ステロイドの注射なども有効です。ほとんどの場合、保存療法で軽快します。
痛みが治まったら、徐々に温熱療法や運動療法などのリハビリを行います。

◆野球肩

野球肩とは、繰り返しの投球動作によって、慢性的に肩に負担が加わり発症する障害のことです。
野球以外にもバレーボールやテニスなどでも発症するスポーツ障害です。

症状は投球動作の痛みで、通常の生活には支障がありません。 いわゆる「投げすぎ」でおこる病気ですから多くの原因があります。 肩峰という骨の突起の下にある滑液包や、腱板が炎症をおこしたり、関節唇という軟骨が損傷したり、肩関節の骨に棘ができたり(Bennett病変)、もともと肩関節がゆるいことで障害が起きたりもします(ルースショルダー)。また成長期の子供の場合、肩の骨の成長軟骨という部分がずれてしまうこともあります(リトルリーグ肩)。

原因によりそれぞれ治療法は異なりますので、まずは病院で原因をはっきりさせ、それに合った適切な治療を行うことが大事です。

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肘関節痛

◆肘内障

急に手を引っ張ったり、ひねったりした時におこり、突然痛がります。
1~4歳くらいの幼児に多く、腕や手を動かせなくなります。橈骨頭という肘の骨が抜けた状態で、自然と戻ることもありますが、基本的に医師による整復が必要となります。その後は特に固定などは必要ありませんが、再発しやすので、手を引っ張ったりしないように気をつけましょう。体の成長とともに発症しなくなります。

◆テニス肘

上腕骨外側上顆炎という病気ですが、テニスプレーヤーに生じやすいのでテニス肘と呼ばれています。
テニスをしていなくても、日常生活で、繰り返し手で使ったり、タオルをしぼる動作をすると、肘の外側周辺に痛みがおこります。安静時の痛みはありません。

原因は、いわゆる手の使い過ぎで、年齢とともに肘に付着している腱が痛んでおこります。

治療は、まずは安静です。スポーツや手を使う動作をひかえて、手首のストレッチをこまめに行い、湿布などを使用します。痛みが強ければ、肘の外側にステロイド注射をしたり、テニス肘用のバンドを装着します。
これらの治療が無効な時は手術を行うこともあります。

◆野球肘

投球動作によっておこる肘の痛みのことを野球肘と言います。成長期の子供で、野球のピッチャーに
多く発生します。内側型と外側型があり、それぞれ原因が異なります。

内側型は、投球動作を繰り返すことで、肘の内側にある靭帯が部分断裂を起こしたり、靭帯の付着部の
軟骨がはがれたりして靭帯が緩み、肘関節が不安定になるものです。

外側型は、離断性骨軟骨炎という病態で、肘の外側にある上腕骨小頭という部分が損傷したものです。
この部分の骨や軟骨が壊死したり、剥がれ落ちたりすることで痛みがおこります。

野球肘の治療は、病態や進行状態により、投球制限や、肘の固定、手術などが行われますので、
早期の医師による正しい診断と治療が重要です。 野球肘の発症は、投球フォームと深く関連しており、
正しい野球フォームや、成長に応じたトレーニング方法の指導などが大事です。

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手関節・指関節痛

◆ケルバン病

手首の親指側の痛みで、病態は腱鞘炎です。親指を動かす2つの腱が、腱鞘というトンネルの中を
走っていて、この部分が親指の使いすぎにより炎症をおこした状態が、この腱鞘炎です。
手をよく使う仕事をする人に多く発症しますが、赤ん坊を抱っこすることが多くなる母親にも多く発症します。

症状は、親指の付け根から手首にかけての痛みと腫れで、症状が進行すると腱鞘部が狭くなり、
ギシギシと動かしにくくなったります。

診断は、親指を中にして手を握り小指側の方に手関節を曲げると強い痛みが出ることで診断できます。
治療は、まず手を使うことを制限して安静を保ち、湿布などで様子をみます。症状が強ければステロイドの
腱鞘内注射も行われます。 これらで軽快しないものは手術(腱鞘切開術)を行います。

◆ばね指

弾発指ともいわれ、腱鞘炎の一つです。指を使いすぎて、屈筋腱という指を曲げる腱が、指の付け根あたりにある腱鞘の中で炎症を起こした状態が、この腱鞘炎です。どの指でもおこりますが、親指や中指、薬指などに多く発症します。

症状は、指の痛みから始まり、曲げ伸ばしが困難になります。進行するとひっかかり(弾発現象)がおこり、
さらにひどくなると、指が曲がったまま伸びなくなります。

治療は、まず手を使うことを制限し、湿布などで様子をみます。ステロイドの腱鞘内注射や装具による
治療も行われます。 症状が改善しなければ、手術(腱鞘切開術)を行います。

◆キーンべック病

月状骨軟化症ともいわれ、手首の骨の一つである月状骨が、何らかの原因で死んでしまう(壊死)病気です。20歳~40歳代の男性で、手をよく使う仕事(大工など)の人の利き手に多く発症し、原因はまだよくわかっていません。

症状は、手首の痛みや腫れで、痛みで握力が弱くなることもあります。
診断は基本的にレントゲン検査で診断しますが、MRI検査ではより早い時期に発見することができます。

治療は、まず手首を固定する装具をつけたりすることで、手首の安静を図ります。
しかし、この病気はなかなか治りにくく、症状が進行すれば手術が必要になります。
手術は病気の進行度等によっていろいろな方法が行われています。橈骨を短くする骨切り術(橈骨短縮術)や手首の骨を固定する方法(手関節固定術)、別の骨を血管付きで移植する方法(血管柄付き骨移植術)などが行われます。

◆母指CM関節症

親指(母指)の付け根の関節(CM関節)の痛みで、老化で関節の軟骨が磨り減ることによっておこります。
物をつまんだり、物を握ったりして親指に力がかかるときに痛みが出ます。レントゲン検査で診断します。

治療は、まず湿布や装具などによる固定により安静を図り、ステロイドの注射も行われます。
症状がひどくなれば手術をします。症状により、関節固定術や関節形成術、人工関節置換術等が
行われます。

◆へバーデン結節

指の第一関節が腫れて痛んだり、変形したりする病気です。
原因は不明ですが、老化による関節の変形と考えられています。一般に40歳代以降の女性に多く発生し、
手をよく使う人がなりやすい傾向があります。
関節リウマチと間違う人もいますが、関節リウマチは第2関節が腫れることが多いところが異なります。

治療は、まず指の安静や湿布などで、だいたい症状は軽減していきます。痛みがひどい場合、
関節固定術などの手術も行われます。

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股関節痛

◆変形性股関節症

変形性股関節症は、股関節の軟骨がすり減り、関節の変形や破壊が起こる病気です。
変形性股関節症には一次性関節症と二次性関節症があります。

一次性股関節症は原因不明で起こる関節症で、いわゆる老化現象です。 欧米ではほとんどがこのタイプです。二次性股関節症は、ケガや感染など、いろいろな原因がもとで変形が起こる関節症です。
日本では、生まれつき股関節の形が変形している人(臼蓋形成不全)や股関節が外れている人(先天性
股関節脱臼)が、成長とともにこの病気になる場合が多く、その大部分が女性です。
そのため、比較的若い人でも発症し、20代の患者さんも珍しくありません。

症状は、初期のころは、歩いた後や動き始めの股関節周辺の痛みがおこります。
さらに進行すると、歩くことや階段の上り下りが困難になります。股関節の動きも悪くなり、あぐらがかけない、足が開かないなどの症状がおこります。また、股関節の変形が進行すると、足の長さが短くなったり、
股関節の筋力が弱くなったりするため、びっこ(跛行)になります。

治療は、まず股関節の負担を減らすため、体重を減らしたり、杖を使ったり、立ち仕事や重労働を控えたりなどの生活指導、股関節のストレッチや筋力訓練などの理学療法、痛み止めや湿布などの薬物治療、などの保存的治療が行われます。
しかし、もともと原因となる股関節の変形がある人が多いので、若い人の場合、たとえ症状が軽くても、
明らかに将来変形の進行が予想される場合には、早く手術を受けた方が望ましい場合もありますので、
専門の医師の判断が重要です。

手術は、年齢や活動性、変形の程度により、骨切り術や臼蓋形成術、人工関節置換術、関節固定術などが行われます。

◆大腿骨頭壊死

大腿骨の股関節をつくる部分は球形をしており、これを大腿骨頭といいます。
大腿骨頭を栄養する血行が何らかの原因で悪くなると、骨が死ぬ状態(壊死)になります。
これが大腿骨頭壊死です。

壊死した骨頭は、骨が弱くなるため、壊れて陥没したり、変形したりします。
変形が進行すると変形性股関節症へと進みます。
20~50才くらいの男性に多く発症する原因不明の病気ですが、他の病気でステロイド治療をしている人や、アルコールをたくさん飲む人に発症しやすいことがわかっています。

症状は、骨頭の変形が少ない初期のころは、歩くときや階段を上り下りするとき、また動き始めに股関節周辺の痛みがあります。進行して骨頭が壊れると、骨折と同じように激しい痛みがおこります。痛みが一時的に治まっても、さらに骨頭の変形が進行すると変形性股関節症になり、歩行が困難になります。

診断は、骨頭の変形があればレントゲン検査で分かりますが、この病気は骨頭が壊れる前の早期診断が大事ですので、変形が少なくレントゲン診断が難しい場合、MRI検査により早期診断が可能です。

治療は、初期の頃は、変形性股関節症と同様に保存療法が行われます。進行して骨頭が変形すれば、
手術が必要になります。手術は骨頭の変形の程度や壊死の広さにより、骨切り術や人工関節置換術などが行われます。

◆ペルテス病

ペルテス病とは小児期に発症する大腿骨頭壊死のことです。原因は不明で、2-12歳くらいの子供に
発症します。症状は股関節や太ももの痛み、びっこ(跛行)などですが、子供は症状を訴えないことも
多いため、「少し変な歩き方になった」など大人が気付くこともあります。

成人で発症する大腿骨頭壊死と違い、壊死はいずれ自然に治りますが,2~3年と時間がかかるため,
早期に診断し、その間に骨頭が壊れないようにすることが重要です。

診断はレントゲン検査でも可能ですが、幼児や初期の頃では診断が難しい場合もあります。 その場合、
MRI検査で早期に確定診断が可能です。

治療は年齢や壊死範囲、変形などにより選択されます。いろいろな装具で股関節の負担を減らしたり、
骨切り術などの手術も行われますが、専門医の判断が重要です。

◆大腿骨頭すべり症

10代の思春期頃の男の子に多い疾患で、大腿骨頭にある骨端線という軟骨部分がずれる病気です。
骨端線とは骨が成長する部分で、強度が弱く、少しの衝撃でずれやすいからです。

症状は、股関節から大腿にかけての痛み、股関節の動きの制限、歩行障害などです。
特に原因なく少しずつ痛みがおこる安定型と、ケガなどで急に痛みがおこる不安定型があります。
レントゲン検査で診断されます。

治療は、手術が基本です。不安定型は、牽引や麻酔下の整復ですべりを戻し、固定する手術が行われます。安定型も同様に治療しますが、すべりが戻らない場合は骨切り術などの手術が必要になります。

◆化膿性股関節炎

股関節に細菌が感染する病気です。まだ免疫力が低い赤ん坊や乳児に起こることが多く、熱が続いて、
おむつを換えるときに痛がる、足を動かせないなどの症状がおこります。

この病気になると、これから発育する股関節の骨や軟骨が、細菌によって破壊され、将来変形して障害が
残るので、なるべく早期の対応が必要になります。

診断は、血液検査や、レントゲン、MRI検査などをしますが、確定診断には股関節に針をさし(穿刺)、
膿を調べて、感染している細菌を特定します。

治療は、手術で関節の中を洗ったり、細菌を洗い流すチューブを入れたりします。細菌が特定されれば、
その細菌に有効な抗生剤の点滴を行います。

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膝関節痛

◆変形性膝関節症

膝の関節の軟骨がすり減り、痛みや変形がおこる病気です。40歳以降の女性に多く、日本国内に700万人の患者がいるといわれています。膝の軟骨や靭帯のケガなどでもおこりますが、多くは原因不明で、肥満や老化により発症するといわれています。

症状は、歩きはじめや立ち上がり時などに痛みを訴え、病期が進行するにしたがって歩行中や階段昇降の痛みがおこるようになり、最後には歩行困難となります。進行すると、膝がO脚になり、膝の曲げ伸ばしが困難になり、膝が腫れて水が溜まるようになります。 診断はレントゲン検査が行われます。

治療は、まずは体重を減らし、膝の体操や筋力トレーニング・温熱療法などのリハビリや、痛み止めの内服・ヒアルロン酸の関節内注射など、保存療法で治療するのが基本です。
これらの治療法で症状が軽減できない場合には、手術による治療が行われます。
変形の進行度や年齢に応じて、関節鏡(内視鏡)手術や骨切り術、人工関節置換術などが行われます。

◆特発性骨壊死

膝の内側の大腿骨内顆という骨が死んでしまう(壊死)病気で、一般的に60歳以上の中高年の女性にみられます。原因は不明ですが、軟骨下の骨の微小な骨折が原因であるという報告がなされています。

症状は膝の痛みですが、発症時は膝の激痛を起こすこともあります。
その後、痛みが一時的に軽くなっても、壊死した関節面が壊れて陥没を始めると、また痛みが強くなってきます。これが進行すると変形性膝関節症になり、治癒が困難になります。
診断はレントゲン検査が行われますが、初期にははっきりと壊死が分からない時期がありますので、
早期の診断にはMRI検査が行われます。

治療は、まず保存的治療が主体で、杖の使用、痛み止めの内服、装具療法、大腿四頭筋訓練などを
行いますが、この病気は進行することが多く、将来的に手術が必要となることが多いようです。
手術方法は年齢や活動性、壊死範囲などで決定され、骨軟骨移植術や高位脛骨骨切り術、人工関節置換術などが行われます。

◆スポーツ膝

スポーツによる膝痛は、一般的にスポーツ膝と呼ばれ、ジョギングやジャンプ競技などでおこりますが、
スポーツだけが原因ではありません。 日常生活においても、繰り返し膝を使うと同様の膝痛がおこることがあります。 スポーツによる膝痛は、膝周辺の靭帯や腱などの炎症が原因であることが多く、膝の外側(膝蓋靭帯炎)、内側(ランナー膝・鵞足炎)、お皿の骨の下(ジャンパー膝・膝蓋腱炎)などの痛みがあります。
しかし、炎症以外の病気が原因であることもあり、専門医の診断が重要です。

治療は基本的には保存治療が行われ、安静や湿布、痛み止めや注射治療などが行われます。
しかし、もっとも大事なことは、正しいトレーニング法・競技フォームを行うことで、スポーツ前後のストレッチやアイシング、筋力トレーニングなども重要です。

◆習慣性膝蓋骨脱臼・亜脱臼

膝のお皿の骨(膝蓋骨)が外れることを膝蓋骨脱臼といいますが、明らかなケガがなくても、膝のある角度で膝蓋骨が外れたり、外れそうな感じになる人がいます。これを習慣性膝蓋骨脱臼・亜脱臼といいます。
生まれつき体の関節が柔らかい人、お皿の形や膝の形に変形がある人におこりやすく、若い女性に多くみられる病気です。

症状は、お皿周辺の痛みや、膝がぬけるような不安感、ガクッとなる膝くずれなどです。
診断は、レントゲン検査と、お皿のゆるさ、関節の柔らかさなどを総合的に調べて診断します。

治療は、まずはストレッチや筋力トレーニング、装具療法などの保存療法が行われますが、効果がなければ手術療法が行われます。手術は、お皿のゆるみの程度や年齢によって決定されます。
お皿の外側を切る方法(外側解離術)や、内側を縫い縮める方法(内側縫縮術)、お皿の内側の靭帯を作る方法(内側膝蓋大腿靱帯再建術)、膝蓋腱の付着部の骨を切って移動させる方法(脛骨粗面移行術)などがあります。

◆半月板損傷

膝の間にある軟骨を半月板といいます。半月板は、膝の内側と外側にあり、膝の衝撃を吸収するクッションの働きをしています。名前の通り半月の形をしているため、この名前がついています。
これが損傷すると、痛みや、膝の曲げ伸ばしができなくなったり(ロッキング)、ひっかかり感がでたり、
膝に水がたまったりします。通常膝の捻挫によっておこりますが、半月板は年齢とともに変性していくため、
中高年以上の場合、特に原因がなくても、損傷することがあります。

診断は、徒手検査が行われますが、軟骨はレントゲンに映らないため、確定診断にはMRI検査が
行われます。

治療は、まず保存療法として、安静や痛み止め、ヒアルロン酸の注射などが行われます。
症状が改善しなければ、手術が行われます。通常関節鏡(内視鏡)による手術が行われ、切れた半月板を切除したり、縫ったりします。

◆オスグッド病

スポーツをする小学生~中学生に多くみられ、骨端症(成長期に起きる骨の病変)の一つです。
成長期にランニングやジャンプを繰り返すことで、膝蓋腱の付着部分の軟骨や骨が痛むことが原因で
生じる障害です。進行すると、骨や軟骨がはがれ、将来膝の出っ張りや痛みが残ることもあります。

症状は、スポーツ時の膝の前部分の痛みや腫れです。

治療は保存療法が基本で、安静やストレッチ、アイシング、装具療法などを行います。成長とともに
症状も消失しますが、骨がはがれてしまって痛みが残った場合、手術も行われます。
ドリルで穴を空ける方法(骨穿孔術)や、はがれた骨を摘出する方法などがあります。

◆成長痛

成長痛とは、小児期に起こる原因不明の膝の痛みのことです。成長期に起こる膝の障害、たとえば
オスグッド病や骨端病、スポーツ障害などと勘違いされている方も多いようですが、これらは成長痛とは
異なります。

症状は、夜間になると両膝の痛みを訴え、激しく痛がる時もあります。
しかし、次の日になると、日中は問題なく生活するようになり、これを繰り返します。
腫れや熱感などはありません。好発年齢は、7歳以下の子どもに多く、原因は、はっきりした事は
わかっていませんが、精神的な要因が関係していると考えられています。

治療法は特別なものは無く、母親が膝をさすってあげたり、子供を安心させると、自然と症状はなくなります。ただ、他の膝の病気が原因であることもあるので、痛みが続くようであれば、整形外科の受診が必要です。

◆偽痛風

偽痛風とは、読んで字のごとく、痛風とよく似た、主に膝に関節炎がおこる病気のことです。
結晶性関節炎の一つで、軟骨石灰化症ともよばれます。痛風と違い、60才以上の高齢者に多く、
男女差はありません。

原因は、軟骨内にできたピロリン酸カルシウムという結晶が、軟骨の老化により関節内に溶け出し、
関節炎を起こします。症状は、突然膝の痛みがおこり、関節が腫れたり、熱をもったりします。
発作は数日持続し、自然に軽快します。診断は、レントゲン検査で膝軟骨の石灰化を認め、
関節液内にピロリン酸カルシウム結晶を認めれば診断できます。

治療法は、まず安静にし、膝の水を抜いたり、ステロイド注射をしたり、痛み止めを飲んだりします。

◆化膿性膝関節炎

化膿性膝関節炎とは、細菌が膝関節内に侵入して、感染してしまう病気です。
原因は、体の他の部分に感染している細菌が、血流にのって関節内に入り込んだり、膝の注射を
繰り返すことで、針から細菌が感染したりします。
症状は、膝の痛みや関節の腫れ、熱感などです。進行すると、関節の軟骨が破壊され、重大な後遺症が
残るため、早期の診断・治療が大事です。

診断は、レントゲン検査と血液検査を行い、関節液の培養で細菌が見つかれば確定診断できます。

治療は、まず安静にし、注射で関節内の膿を抜き、抗生物質の点滴を行います。感染が治まらない場合は手術によって膝の中を洗浄したり、チューブを留置して、持続的に関節内を洗い流したりします。

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足関節・母趾関節痛

◆変形性足関節症

足首の軟骨がすり減り、痛みや変形がおこる病気です。
原因は、足首の靭帯が切れた後に不安定性が残ったり、骨折した後に関節が変形したりするとおこりますが明らかな原因なくても、老化でおこることもあります。

症状は、歩くとき足首が痛くなり、動きが悪くなったり、腫れたりします。

診断は、基本的にレントゲン検査を行います。 治療は、まず、サポーターを使用したり、足底板という靴の中敷きを作ったり、リハビリで温めたりします。 これらで効果がない場合は手術が行われます。
靱帯をつくりなおす手術や、関節鏡(内視鏡)で関節内を掃除する手術、関節固定手術、人工関節置換術などが行われます。

◆外反母趾

足の親指が変形する病気です。原因は、もともとの足の変形が原因のこともありますが、踵の高いハイヒールなど、窮屈な靴を履き続けることによっておこるといわれ、女性に多い病気です。
症状は、親指の付け根の腫れや痛み、しびれなどです。また、足の裏に胼胝(タコ)ができたりします。

診断は、診察とレントゲン検査が行われます。

治療は、まず、親指を圧迫しないような足先の広い靴を履くようにし、親指を開くようにストレッチしたり、足ゆびじゃんけんなどの親指の体操をしたりします。また、親指を開くための装具や、足底板を使用します。 これらで症状が改善しない場合、手術が行われます。手術には多くの方法があり、重症度や医師の経験で手術方法が選択されます。骨切り術や骨切除術、骨固定術、関節形成術などが行われます。

◆痛風

突然、足の親指の付け根の関節が赤く腫れて痛む病気です。
原因は、血液中の尿酸値が高い人(高尿酸血症)で、関節内に尿酸がたまると関節炎をおこします。
男性に多く、膝や足首など、いろいろな関節でおこります。症状は激しい痛みと腫れ、熱感などで、
1週間から10日たつとしだいに治まります。
しかし、尿酸値がコントロールされてないと、また同じような発作がおこります。

診断は、血液検査で、尿酸値が上昇していれば確定診断がつきます。

治療は、発作時は、安静やアイシング、痛み止めや湿布などを使用します。
症状は自然に消失しますが、再発を繰り返しますので、大事なのは、尿酸値のコントロールです。
尿酸は、食物中のプリン体という物質が分解されてできるため、プリン体の摂取を控えることが大事です。

プリン体はビールや、レバー、白子、エビ・イワシ・カツオなどの魚介類に多く含まれています。
これらの摂取を避け、食生活を改善しても尿酸値が下がらなければ、薬で尿酸値を下げる必要があります。 尿酸は関節だけでなく、腎臓などの重要な内臓にも障害をおこしますので、発作が治まっても、必ず医師の指示に従って、治療する必要があります。

監修
  • 医療法人社団恵仁会 府中恵仁会病院
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