監修:府中恵仁会病院

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腹腔鏡

腹腔鏡って何だろう?

簡単に言うと、お腹の中を観察するカメラ(内視鏡の一種:胃カメラや大腸カメラの仲間)で、お腹の病気の診断や治療に利用されます。一般的には、全身麻酔下に、お腹の中に炭酸ガスを注入してお腹を膨らませる(気腹法)か、お腹を針金のような器具でつり上げる(つり上げ法)ことによってできたお腹の中に腹腔鏡を挿入します。挿入するためには5〜10mmくらいの傷が必要です。

腹腔鏡で手術をするときには、その他にいくつかの5〜10mmくらいの傷が必要になります。
最近は単孔式手術といって、3cmくらいの小さなキズ1つで、胆嚢摘出や結腸切除を実施する施設も
増えてきました。

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腹腔鏡で何が出来るの?

腹腔鏡では、お腹の中の病気の診断(審査腹腔鏡)や治療(手術)が出来ます。
ここでは色々な領域での腹腔鏡の応用法を紹介します。

◆外科

現在、日本内視鏡外科学会という腹腔鏡手術を中心とした学科でガイドラインが作成された疾患に対する治療を挙げてみます。「学会でガイドラインが作成された」ということは、データに基づいた解析によりその治療法の有効性が示されたということです。

ただし、だれもがその手術を出来ると言うわけではなく、そのため技術認定医制度という制度もあります。
食道がんに対する胸腔鏡手術、アカラシアに対する腹腔鏡手術、胃食道逆流症に対する腹腔鏡手術、
胃がんに対する腹腔鏡下胃切除術、穿孔性消化性潰瘍に対する腹腔鏡手術、GISTなどの腹腔内腫瘤に
対する腹腔鏡手術、大腸がんに対する腹腔鏡下手術、虫垂炎、炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎など)、胆嚢結石症や急性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術、総胆管結石に対する腹腔鏡手術、鼡径部ヘルニアに対する腹腔鏡下手術などが挙げられます。

この他にも肝臓がんや膵臓がんに対する新たな治療として腹腔鏡手術が取り組まれ始めていますし、
生体肝移植や生体腎移植におけるドナー(臓器を提供する側)手術にも腹腔鏡は応用されています。
また、脾臓においても血液疾患や外傷に対する治療にいて腹腔鏡手術が行われています。

◆産婦人科

卵管妊娠に対する腹腔鏡下手術、不妊症に対する腹腔鏡下手術のガイドラインが作成されました。
腹腔鏡で行う不妊症の検査では、子宮内膜症(不妊の1番の原因)の所見がないかどうか、卵巣や卵管に癒着や嚢腫などがないかどうかを直接確認することが出来ます。

腹腔鏡と同時に子宮頸管に色素を流し込む検査(卵管通色素法)により、卵管の通りを肉眼で確認でき、
卵管形成術を行う場合の目印にすることが出来ます。他にも、簡単な癒着の剥離や卵巣嚢腫の摘出、
子宮内膜症の焼灼や、最近では限られた施設ながら子宮筋腫に対し、腹腔鏡下膣式子宮全摘術・腹腔鏡
下筋腫核出術も実施されるようになってきました。

◆泌尿器科

副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術、腎がんに対する腹腔鏡下根治的腎摘除術、腹腔鏡下腎尿管摘除術、前立腺がんに対する腹腔鏡下根治的前立腺摘除術、生体腎移植における腹腔鏡下ドナー腎摘除術および腎盂尿管移行部通過障害に対する腹腔鏡下腎盂形成術に対してガイドラインが作成されました。

◆内科

肝硬変などの肝疾患においては血液検査だけではわからない、肝臓表面の詳しい変化を知ることが
出来ます。また、腹腔鏡下に肝臓の組織を採取(肝生検)することも出来ます。腹膜腫瘍(中皮腫)の診断、
消化器癌の病期診断にも有効に利用されています。

その他の領域でも、小児外科、呼吸器外科、整形外科などの領域に腹腔鏡・胸腔鏡・関節鏡といった
治療が開発されています。

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「腹腔鏡」手術と「開腹手術」の違いは?

それではどうして『腹腔鏡』手術が普及してきたのでしょうか? やはり利点がある(利点が多い)と言うことだと思います。ただし、欠点もありますので、主な利点・欠点を列挙してみました。

[ 利点 ]
① 創(キズ)が小さい
② 術後疼痛が少ない
③ 入院期間が短い
④ 早期社会復帰が可能
⑤ 術後癒着が少ない
⑥ 骨盤内の死角が減少
⑦ 拡大視効果のもと手術が可能
⑧ 電気メスを含む特殊器具の使用が可能

[ 欠点 ]
① 特殊機器・器具が必要
② 全身麻酔が必要
③ 体位変換が必要
④ 炭酸ガスによる気腹が必要
⑤ 腹腔鏡下手術に特異的な合併症
⑥ 摘出物の回収が困難な場合がある
⑦ 手術操作に制限がある
⑧ 手術時間が延長する傾向がある

治療を受ける患者とすれば、同じ治療内容であれば、創(キズ)が小さく、痛みが少なく入院期間が短く、早期社会復帰が可能などと非常にありがたいことが多いです。ただし、あくまでも同じ治療内容であれば、が原則です。手術する側も拡大視効果のもと手術が可能(良く見える)、死角が減少(開腹手術では見えないところが見える)、術後癒着が少ない、などの恩恵に与っているのです。

利点・欠点は色々とあり、まだ全ての手術を腹腔鏡で出来るわけではありませんが、治療への応用はどんどんすすんでいます。また、最近ではロボット手術などへの広がりもみせています(ダビンチ)。
良い話ばかりではないので、腹腔鏡下手術の普及が遅れている理由も挙げてみたいと思います。

① 手術手技の習得が十分でない
② 高価な使い捨て機器・器材を必要とする
③ 手術時間がかかる
④ 術者と麻酔医など多くの手術スタッフが必要である
⑤ 入院期間尾短縮で病床利用率が下がる


手術手技に関しては、本邦においては技術認定医制度の導入により技術力アップ・術式の標準化がはかられていますが、その途上において手術ミスによる医療過誤もマスコミで話題になったのも事実です。

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